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中小企業のDXは紙と転記をなくすことから始める

14 時間前
読了時間: 5分

DXと聞くと、大がかりなシステム導入を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれども、中小企業で最初に効果が出やすいのは、もっと身近なところです。


毎日の「紙に書いて、あとでパソコンに打ち直す」作業をなくすこと。


日報、点検表、在庫表、作業報告。現場で紙に書かれた情報は、あとから誰かがExcelに入力し直していることがよくあります。この作業を減らすだけで、時間のムダ、ミス、確認待ちをまとめて減らせます。


目線の高さで見た建設現場の作業者がスマートフォンに日報を入力している様子
紙を持ち帰らず、その場で入力できるだけで流れは大きく変わります。

転記は見えないコストのかたまりです


紙の帳票は、書いている時点では手軽に見えます。ペンで記入して、あとで提出するだけなら、現場では早く感じることもあります。


問題は、その後です。


紙に書かれた内容は、事務担当者や管理者がもう一度入力する必要があります。1件あたり数分でも、毎日、複数人分、複数現場分となると大きな時間になります。


転記には、次のような問題もついてきます。


  • 手書き文字が読みにくい

  • 入力ミスが起きる

  • 集計が翌日以降になる

  • 紙の保管場所を探す時間が発生する

  • 過去の記録を検索しにくい


紙そのものが悪いわけではありません。問題は、同じ情報を何度も扱っていることです。


DXの第一歩は、「書く、運ぶ、打ち直す、集計する」という流れを、「入力したら、もう集計されている」に変えることです。


専用システムの前に手元のツールで試します


いきなり高価な専用システムを入れる必要はありません。最初は、Googleフォームとスプレッドシートで十分に試せます。


中小企業のDXで大切なのは、完璧な仕組みを最初から作ることではありません。小さく始めて、実際に使いながら直すことです。


紙の様式をそのままフォームにします


最初にやることは、今使っている紙の帳票をそのままフォームにすることです。


日付、現場名、担当者名、作業内容、数量、備考など、今ある項目を入力欄に置き換えます。


ここで項目を増やしすぎると、入力が面倒になります。最初は今と同じ項目にするのがコツです。改善は、使い始めてからで構いません。


スマホから入力できるようにします


フォームはスマホから入力できるようにします。現場で作業が終わったタイミングで送信できれば、紙を持ち帰る必要がありません。


記入漏れを防ぐために、必須項目も設定できます。選択式にできる項目は、できるだけ選択式にします。現場名や作業区分を毎回手入力するより、選ぶだけのほうが早く、表記ゆれも減ります。


回答は自動でスプレッドシートに貯まります


Googleフォームの回答は、スプレッドシートに自動で保存できます。これで転記は不要になります。


日付別、現場別、担当者別に並べ替えたり、集計表を作ったりできます。グラフを作れば、件数や作業量の変化も見えるようになります。


紙の運用

フォームの運用

書く、持ち帰る、打ち直す、集計する

入力する、送信する、自動で一覧になる


この差は、毎日続くほど大きくなります。


建設会社の日報では当日中に状況を見られるようになりました


ある地方の建設会社では、現場ごとの作業日報を紙で提出していました。事務担当者は、毎日その内容をExcelに入力し直していました。


そこで、Google Workspaceを使って日報をフォーム化しました。現場責任者がスマホから入力すると、工事別、日付別の一覧が自動で作られる仕組みです。


変わったのは、転記作業がなくなったことだけではありません。管理者が、当日中に全現場の状況を確認できるようになりました。


「まだ紙が届いていない」「入力が終わるまで状況が見えない」という待ち時間が減り、確認や指示も早くなります。


製造業の在庫管理でも同じ考え方が使えます。入庫、出庫、棚卸の記録をフォーム化すれば、在庫数をリアルタイムに近い形で確認できます。


斜め上から見た工場の棚で作業者が部品の入出庫をスマートフォンに記録している様子
在庫や点検の記録も、紙からフォームへ置き換えやすい業務です。

うまくいくコツは現場の人が楽になることです


ペーパーレス化が失敗する一番の原因は、現場の手間が増えることです。


「入力が面倒」「紙のほうが早い」と感じると、使われなくなります。仕組みを作る側が便利でも、入力する人に負担が集中すると定着しません。


導入前に、次の点を確認します。


  • 入力は1分以内で終わるか

  • 選択式にできる項目は選択式にしたか

  • スマホの画面で見やすい順番になっているか

  • 入力した人にもメリットがあるか

  • 1〜2週間使ったあとに直す前提になっているか


入力した人にとってのメリットも大切です。たとえば、記入漏れをその場で確認できる、過去の報告を探しやすくなる、同じ内容を何度も聞かれなくなる、といった変化です。


管理側の都合だけで作らないこと。これが定着の近道です。


最初に選ぶ帳票は一つで十分です


最初から全社の紙をなくそうとすると、調整が増えて進まなくなります。まずは、社内で一番転記が多い帳票を一つ選びます。


おすすめは、次のような帳票です。


  • 毎日使っている

  • 同じ項目を何度も書いている

  • あとでExcelに打ち直している

  • 集計や確認に時間がかかっている

  • 現場から提出されるまで待ち時間がある


日報、点検表、在庫表、作業報告は特に始めやすい分野です。


最初の目的は、立派なシステムを作ることではありません。転記を一つなくすことです。そこから、次の帳票、次の業務へ広げていけば十分です。


中小企業のDXは、大きく始めるより、小さく始めて確実に定着させるほうが成果につながります。


officeひいらぎでは、Google Workspaceを軸に、日報、点検表、在庫管理などのペーパーレス化をご支援しています。どの業務から手をつければよいか迷ったときは、まず「一番転記が多い紙」を一緒に探すところから始められます。


 
 
 

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