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3. テレワークの課題・問題点とは?3つの視点で解説

まだまだ少ないテレワーク導入率

総務省(2018年)によれば、従業員数300人以下の企業のうちテレワークを導入している企業は約3%、導入はしていないが制度や設備などテレワーク導入の環境が整っている企業は約21.4%としています。

ここ2年間の間にテレワークに対する認知度は上がってきており、自社でも導入を検討したいと考えている方も多いのではないでしょうか?

しかしわが国のテレワーク導入率は欧米各国と比較するとまだまだ低く、今後さらに多くの企業が導入するためにはクリアしないといけない課題があるのも事実です。

テレワークの問題・課題

そこで今回はテレワークの課題・問題点について3つの視点から解説していきたいと思います。

課題①「情報セキュリティの確保」

総務省は「ICT利活用と社会的課題解決に関する調査研究」(平成29年)において、「テレワークの導入にあたっての課題、導入するとした場合の課題」を複数回答で調査しましたが、その中で課題として最も多くの企業が挙げていたのが「情報セキュリティの確保」となっています。

テレワーク(雇用型テレワーク)は、テレワークには自宅で勤務する「在宅型」と移動中や外出先で従事する「モバイルワーク型」、さらに所属するオフィス以外の施設を利用する「サテライト型」があります。いずれも社員が所属するオフィス以外で勤務することを指しますが、いわば社外というセキュリティ上危険な環境で業務をすることに対しては一定のリスクがあります。

そのため、テレワーク導入のために「情報セキュリティの確保」は至上命題であり、ここをクリアしない限り導入は難しいといっても過言ではありません。


対策

ではどのようなセキュリティ対策を取ればよいのでしょうか?

総務省ではテレワークのセキュリティ対策として、「ルール」「人」「技術」の3項目を挙げています。

「ルール」

まずテレワークに対応した情報セキュリティポリシーを策定することをお勧めします。

取り扱う業務の種類とそれぞれ執務にあたる場所や時間、使用する端末やその管理方法などを細かく規定し、テクノロジーの進化に応じて変更していく必要があります。

これをおろそかにすると在宅型のテレワーカーが友人宅や公共の施設に個人所有の端末を持ち歩き業務にあたる、なんてことも発生してしまいますので、注意が必要です。

「人」

次に、テレワークを実施する社員への教育です。いくら良い制度、システムを導入しても使用する人が不正やずさんな使用方法ををしていては意味がありません。

システムとルールに沿ってテレワーカーが正しく業務にあたれるように教育と管理を行うことが求められます。

最も重要なのは遠隔地であっても常にコミュニケーションんを取り合い、「ほったらかし」にしている印象を与えないことです。そして適切な評価を与えることによって相互に信頼関係を構築していくことも、セキュリティ上の対策といえます。

「技術」

ルールと人が備わっていてもセキュリティ上の技術的な対策が取られていなければリスクを回避することはできません。

考えられることとしては「ウイルスソフトの導入・更新」「不正アクセスへの対策」「情報の暗号化」「データのバックアップ」などが挙げられますが、テレワーク用の端末に仮想デスクトップ(VDI)の導入や、テレワークで使用するデータのみオフラインで持ち出しをするなども対策としては有効です。


課題②「対象業務が限られる」

「テレワークの導入にあたっての課題、導入するとした場合の課題」2番目に多かったのが「対象業務が限られる」という回答です。

テレワークはICT技術を利用した働き方が前提となりますので、対象業務は必然的に限定されます。

導入実績が高い業務は「事務系」「IT技術系」「管理系」などで、モバイルワーク型のテレワークにおいては営業職の報告業務などにも多く活用されています。


対策

逆に言えば、その他の業務では現在のところテレワークの導入は進んでおらず、さらなる普及のためには働き方のイノベーションが必要ではないかと思われます。

例えば、1日のすべての業務をテレワークにするのではなく、報告や資料作成など主にPCを使用して行う業務をまとめてテレワークで行うなど、何らかの工夫をすることで改善できる部分もあるのではないでしょうか。

課題③「適正な労働時間」

「テレワークの導入にあたっての課題、導入するとした場合の課題」3番目に多かったのが「適正な労働時間」の問題です。

在宅型のテレワークは時間管理があいまいになりがちです。企業側はテレワーカーが決められた時間業務を遂行しているかが気になりますが、実はテレワーカー側にとっても労働時間は懸念事項の一つなのです。

テレワーカーはオフィス勤務者と違い人事評価において定性的な評価がされにくいため成果にもだわって長時間勤務してしまうケースも多くみられます。オフィス勤務者と違い在宅で勤務しているテレワーカーは深夜でも勤務できてしまうため、労務管理が煩雑に張ってしまうこともしばしばあります。

対策

この問題をクリアするためには、「コミュニケーションの強化」と「公正な評価制度の実現」しかありません。

「まとめ」

このようにテレワークを導入するにあたってはまだまだクリアしなければならない課題・問題があります。

「うちはテレワークを導入している。」「働き方改革を実践している。」と他社や世間にアピールすることはよいことですが、形にこだわるあまり初めから無理に完全導入をするのではなく、課題をひとつづくクリアしていくことで自社にあったテレワーク制度を少しづつ作り上げていくのも一つの在り方だと考えます。

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