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お金と幸福度は比例する?年収が低くても幸福度の高い人の特徴とは?

執筆者の写真: 植前 健太郎植前 健太郎

いきなり哲学的な質問をしますが、

「幸福」とはいったい何なのでしょうか?


  1. 経済面で満たされていること

  2. 健康面で問題がないこと

  3. 仕事面で充実していること

  4. 人づきあいがうまくいっていること

  5. 没頭できる趣味を持つこと

  6. それら複数、あるいはすべて


この問いに対する答えは様々ですが、「お金があれば上記のほとんどがうまくいく」と考えている人は多いのではないでしょうか?

確かにお金があれば最新の医療を受けることができますし、仕事上でも大きな投資活動ができます。また、経済的な理由から周囲の人との付き合い方をセーブする必要もなくなりますし、趣味に好きなだけお金をかけることだってできます。


しかし、本当にそうなのでしょうか?


今回は「お金(年収)」と「幸福度」がどのようにかかわっているか?収入が低くても幸福度が高い人はどのような人なのか?について解説していきます。


「幸福度」とはなにか?

まず、「幸福度」とは何かを解説します。


本来「幸福かどうか」とは主観的な感覚であり他者との比較、ましては県同士、国同士がお互いにランクをつけあうものではありませんが、近年は「国別幸福度ランキング」「都道府県別幸福度ランキング」なるものが毎年のように更新されているので、

「日本の幸福度は世界的に見たら高くないんだ、、、。」

「自分が住んでいる県は幸福度〇〇位だった!」

など、「幸福度」という言葉に興味を持って接する機会が増えてきましたように感じます。


しかし、ここでいう「幸福度」とはGDPや寿命、教育や福利厚生の水準など客観的・社会的な指標を数値化したもので、国民や県民の主観的な感情を数値化したものではありません。

つまり、ここで言うところの「幸福度」が高いからと言って住んでいる人の多くが必ずしも幸福に感じているとは限らないのです。


主観的幸福感

それでは、自分が「幸福だ」と思っていればそれでよいのでしょうか?


自分自身の主観的な生活の評価を「主観的幸福感」と言いますが、

主観的に幸福であると感じているからと言って、社会的にもそれでよいとは限りません。


現在ほどインフラの整備がされていなかった明治時代にも、主観的に「幸福である」と感じていた人は大勢いたはずです。

しかし、その頃より圧倒的に医療や科学が進歩してきた現代までの間に、幸福度を測る尺度自体も段階的に大きく変わってきています。

例えば明治時代に主観的な幸福感を感じている人を現代の尺度で見ると、収入、教育、医療などの生活水準において社会的に「幸福」であるとは言えません。


大げさに言えば、国家間や地域間の主観的幸福感の尺度の違いも同じことが言えます。


収入と幸福度の関係

内閣府の経済社会研究所では、哲学、医学、公衆衛生、心理学、社会学、経済学など様々な分野から主観的幸福感を中心とした幸福度の研究を行っていますが、個人の収入(所得)が上昇すれば、一定のラインまで幸福度が改善されるという分析結果も出ています。


社会的なインフラが整備されていてもその機能を十分に享受するためにはある程度のお金が必要ですし、収入が増えれば量的・質的により高いサービスを受けることも出来るため、「幸福度=収入が関係する」ことは間違えではないと思われます。


しかしながら上記(経済社会研究所)の分析結果では、「所得の上昇が人々の幸福度を改善するには限界がある。」とも挙がっています。この結果からは収入が高ければ高いほど幸福度が上昇するということではないということが伺えます。


収入が低くても幸福度が高い人

経済社会研究所の報告によると、個人の幸福度を上昇・減少させる要因として次の項目があるとされています。(収入除く)


  1. 失業(所得の減少より大きく影響する)

  2. 雇用スタイル(正規・非正規など:影響は国ごとに異なる)

  3. 年齢(日本では年齢と共に幸福度が減少する。欧米では40代が最も低い)

  4. 雇用主による経営への信頼

  5. 政治体制への信頼感

  6. ソーシャル・キャピタル(社会関係資本:社会や地域コミュニティにおける人々の相互関係や結びつきを支える仕組み)の質

  7. 調和(東アジア)個人的な達成感(欧米)


この考え方によれば、たとえ収入は低くても(限界はありますが)以下のような特徴を持つ人は幸福度が比較的高いといえるかもしれません。


・経営の安定した会社に正規雇用で勤めている人

・社内外の仕事外のコミュニティに積極的に参加し、周囲の人との関係もうまくいっている人

・年齢に応じて少しずつでも収入が上がっている人(年齢を重ねるごとに減少する幸福度を補う、という点で)


まとめ

収入が増えても幸福度の上昇には限界がある中、また収入面で大幅な上昇が見込めない中

でも、やはり自分自身「幸福である」と感じながら生きていきたいものです。


そんな時はまず、自分自身の生活を「収入面」・「雇用の安定性」・「社会的資源は利用できているか」・「周囲の人との付き合いは充実しているか」など、細かい項目に分けて客観的に評価してはいかがでしょうか?


そうすれば幸福度の上昇を阻む要因が見えてきますので、ひとつずつクリアすることで幸福だと感じる時間も少しずつ増えていくのではないかと思います。


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